
CALCとは?
「CALC(カルク)」は、全く新しい大規模データ解析サービスです。
既存の、相関関係を用いたデータ解析ツールでは難しかった、データ間の因果関係を導くことが出来ます。CALCを利用することで、課題を解決するための施策を、大量の仮説の中から客観的に、圧倒的に素早く検討できるようになります。
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相関と因果の違い
例えば、ある地域・1日あたりのアイス販売量と、海で溺れる人数の間には、多くの場合、相関関係が見られます。
ただし自治体が溺れる人数を減らす方法を考えたとして、「アイス販売量を減らそう」という施策は意味を持ちません。
これは、アイス販売量と海で溺れる人数の間の関係が、因果関係ではなく気温や遊泳人数を媒介した間接相関だから。
相関だけではわからない因果関係を、CALCは客観的に推計します。
CALCから導かれた若者のクルマ離れ7つのパターン
「WIRED」日本版とイノラボは、東京23区に住む20~34歳の男女500名を対象に、自動車保有意向から生活習慣、金銭感覚、思想まで、幅広い質問のアンケートを行ないました。
ここで得た約200因子×500サンプル(※1)のデータをそのまま(※2)CALCにかけることで、若者のクルマ離れの背景にある7つのパターンが見えてきました。
※1. CALCはディープラーニングのように教師データを必要としないため、数百サンプル程度のデータサイズでも、変数間の因果関係性を把握できます。
※2. CALCなら仮説をもたなくてもデータをそのままかけるだけで、多変数間の関係性を、客観的に導くことが出来ます。
CALCで見えてきた、都会の若者のクルマ離れの背景にある7つのパターンがこちらです。
#1. モノ・トレンドへの関心が薄い
ネット買物をあまりしなかったり、流行りものを早く持ちたいと思わない若者は、高額買物の頻度が低く、車保有意向も低いことがわかりました。
このタイプの若者は、高級品や美味しいもの、服装へのこだわりも薄く、「異性にモテたい」「周囲より優れている・周囲と違っていると思われたい」という意識も低めです。
#2. 身体もおカネも動かしたくない
自転車を持たない若者は、ゴルフ・マリン/ウィンタースポーツ・屋外/屋内スポーツ等をしないと同時に、車保有への関心もないことがわかりました。
このタイプは借入金への抵抗感が高く、投資用物件への関心も低いことから、金融消費に消極的なタイプでもあります。
#3. 都会の独身者は日常生活にクルマを使わない
未婚や、既婚でも子どもがいない若者は、お金の用途を一人で決め、買物にも、スーパーや百貨店よりもコンビニやネットを多く使うため、生活に車を必要としないという結果となりました。
このタイプは、バイク・電動自転車等、他の便利な移動手段も持たず、友人のクルマ保有率も低いといった特徴があります。
#4. 1人暮らしで遠出・人付き合いに興味がない
実家に住まない独身者は、可処分所得の制限もあるのか、家族との外出だけでなく、一人や友人と外出・旅行頻度も、友人・仕事仲間と飲みに行きたい頻度も低いことがわかりました。
このタイプは、SNS・リアル友達ともに少なめの傾向にあり、外出や交友に対する意欲が控えめであることがわかります。
#5. 子どもの頃のドライブ経験が少ない
子どものころ家に自動車がなく、家族とのドライブ経験があまりないことは、やはり、クルマ離れの直接的な原因になることがわかりました。
このタイプは、ローンへの抵抗感が高く、家の購入等の大型消費に消極的な傾向も見られます。
#6. 結婚をはじめ「大人の生活」に理想をもたない
結婚相手や恋愛相手に、見た目・性格・収入等の条件をあまり重視しない若者は、クルマ保有の意向も低いことがわかりました。
このタイプは子ども時代に「大人になったらしたかったこと(恋愛や結婚、自由やお金を得る等)」があまりないことから、「大人になったからこそできること」である車保有にも関心が薄いのかも知れません。
#7. 節約・貯蓄意向が高い
免許をもたない人は女性が多く、年収が低めでも食費・衣類費を節約し、毎月の貯蓄額は高い傾向が見られました。
このタイプは交際費も節約しており、毎月連絡を取る友人も少ない傾向にあります。
CALCは変数間の因果関係をネットワーク図として見える化してくれるので、今回のように改善したい結果の原因に複数のパターンがある場合も、一度に理解できます。
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若者のクルマ離れについて、相関分析とCALC分析のデータを比較
現在利用される多くの解析ツールは、変数間の相関の強さをベースにしています。
そこで、相関分析とCALCによる因果情報分析の結果を比べてみました。
この表は、200あまりの変数のうち「自動車保有意向が低い」と相関の強い10変数が、CALCで解析すると、因果関係に近い「直接相関」と、(直接的な)因果関係にはない「間接相関」のどちらであるかを示したものです。
今回のデータでは、相関の強さ上位10位のうち、直接相関関係にあったのは「世帯に車がない」「免許を保有していない」の2変数のみで、残りの8変数は間接相関関係であることがわかりました。
つまり、若者の車ニーズを高めるために、2~9位の変数にアプローチしても、因果関係ではない可能性が高いため、効果が出ないことがあるのです。
一方でCALCは、相関は弱くても直接の因果関係に近い変数を理解することができるため、相関からは見つけにくい、ユニークな「結果に影響を与える要因」を発見することができます。
CALCのネットワーク図上に、この相関の強さ上位10位の変数(赤丸)を図示すると下図のようになります。
この図からは、7つの車離れの理由のうち4つ(※)は、相関の高い因子からは見つけにくいことがわかります。
(※「#1. 子どもの頃のドライブ経験が少ない」「#2. 恋愛・結婚や大人の生活に高い理想をもたない」「#4. トレンドへの関心・ミーハー心が薄い」「#5. 身体も大金も、あまり動かしたくない」)
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CALCの解析できるテーマ
CALCは、多彩な解析テーマで活用可能であり、下記をはじめ様々な場所ですでに利用されています。
上記に限らず、各種顧客データやIoTデータをお持ちで、これまでのツールでは解らなかった因果関係を見える化したいとお考えのお客様は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。
info@innolab.jp
※CALCは株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所が開発した技術です
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