メディア掲載 ASCII - 生物多様性の保全をビジネスとして成立させたバイオーム

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2022.03.01
メディアASCIIにバイオーム藤木庄五郎氏とイノラボ藤木の対談が掲載されました。概要を記載します。続きはASCII.jpをご覧ください。

ここ数年、生物多様性というキーワードを目にすることが増えてきた。生物多様性とは、要するに様々な種類の生物が暮らしているということだが、人間が健康に生活するためには、実はこの生物多様性が重要な役割を果たしている。

 しかし、生物多様性は急速に失われつつある。2010年10月に愛知で開催されたCOP10(第10回生物多様性条約締約国会議)では、愛知目標と呼ばれる生物多様性の損失を止めるための20の個別目標が定められた。愛知目標は2020年までに達成する目標とされたが、2020年時点では6項目で一部達成、残りの14項目が未達成という結果になっている。

 2017年5月に設立されたバイオームは、生物多様性の保全をミッションとするベンチャー企業。「いきものコレクションアプリ バイオーム」などを通じて、生物多様性の保全に取り組んでいる。電通国際情報サービス(以下「ISID」)オープンイノベーションラボ(以下「イノラボ」)も、以前から音を通じた生物多様性を定量化する研究をしており、生物多様性の重要性を認識していた。

 そんなバイオーム代表取締役藤木庄五郎氏とイノラボ藤木隆司氏が、生物多様性をテーマに語り合った。

生物多様性に世界が注目

イノラボ藤木氏(以下「イ」):自分は生態学者ではないので、社会トレンドから見た視点で、生物多様性について話をさせてください。いま生物多様性というキーワードが注目されている理由として、2021年6月に生物多様性に関するCOP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)という会議が開催され、「TNFD」(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォース)が立ち上がったことがひとつあると考えています。

TNFDとは、企業が生物多様性に関連したリスクと機会を開示することを求めるタスクフォースです。最近、気候変動に関して「TCFD」(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)が注目を集めています。たとえば、東京証券取引所は市場区分の見直しをする際、新設される「プライム市場」に申請する企業に対して、TCFD提言に沿った情報開示を求めています。地球環境に影響を与える企業活動に対して情報開示の要求が強まっていくなかで、TCFDの生物多様性版とも言えるTNFDが立ち上がった。TNFDの計画では、2022年に一部運用を行ない、2023年には枠組みを完成させる予定です。企業はそれに沿った「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標・目標」の柱で情報開示が求められていく。そうした動きを見据えて、企業が生物多様性に関してどのように取り組みをしていくのかが重要になっていく──と感じています。

 一方で、生物多様性は、言葉の意味がとらえづらく、範囲が広いため、何をすればいいかが分かりづらいことが課題です。まず、現状把握のための定量化が必要ですが、それが難しいことで目標値が立てれない、そのため対策も決められない。もっと言うと、そもそもどれほどの課題があるのかの問題意識の共有ができない、ということが起きてしまっています。そこで、生物多様性の定量化をどのように実現していくかが重要になる、と私は思っています。 ・・・

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