電子音楽×デジタルアートの祭典MUTEKでサウンドスケープ生成装置「ANH-00」を初公開。-その場の音環境に適した自然環境のような豊かなサウンドスケープをリアルタイムに生成する試作機を開発

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2019.12.11

イノラボとALife Lab.は、「集団の形成メカニズムと介入方法」の共同研究プロジェクトの一環として、「音のニッチ仮説」に基づいた、その場の音環境に適した自然環境のような豊かなサウンドスケープをリアルタイムに生成する試作機「ANH-00」を開発しました。

イノラボでは、かねてより「まちづくり・地方創生」をテーマに研究開発を進めており、特に近年は、SDGsゴールにある「住み続けられるまちづくり」の達成に向けて、都市で発生する人口集中による混雑問題に対し、自然環境や生物といった生態系を含めた持続可能な都市における社会モデルを描き、テクノロジーによる実装を試みています。 自然環境や多様な生物が存在しない都市部においては、自然界が作り出す人間の可聴域上限を超える音を含めた周波数帯域が大幅に欠落しているといわれています。豊かな自然環境では、哺乳類や鳥類、昆虫類の鳴き声はそれぞれ時間、空間、周波数において独自の位置を占めるという「音のニッチ仮説(The Acoustic Niche Hypothesis)」という考え方がありますが、この状況が保たれていない都市環境は、人々の心理的・生理的な影響を与えていると言われています。そこで、その場の環境音で欠落した周波数帯域を埋めて作られるサウンドスケープを構築することで、人の行動変容に繋がるかを見る予備的調査プロジェクトのため本試作機を開発致しました。

・サウンドスケープ生成装置「ANH-00」の概要 試作機「ANH-00」は、生物進化の仕組みに着想を得て発明された遺伝的アルゴリズムを使い、マイクで音を収集し、スピーカーで音の発生のタイミングや発生のパターンを作り出しています。これにより、複数の装置同士のコミュケーションと音環境と装置との相互作用が作り出すサウンドスケープが生まれます。

サウンドスケープ生成装置「ANH-00」は、12月11日(水)、12日(木)、 13(金)に開催される電子音楽×デジタルアートの祭典MUTEK.JP( https://mutek.jp/about/ )場所:渋谷ストリームホール(東京都渋谷区))にて初公開いたします。