INNOLAB MEMBERS
Chief Producer
Hiroshi Morita
森田 浩史
「あったらいいな」とテクノロジーをマッシュアップして未来を楽しくしたい
Q1
現在イノラボでどんなことを研究していますか?
A1
イノラボは、デザイン思考のフレームワークを活用し、みんなの「あったらいいな」と様々なテクノロジーをマッシュアップし、それをプロトタイプすることで世の中にいち早く納得感のある体験にしています。適用分野は、街づくり・地方創生、スポーツ・ヘルスケア、自動運転、次世代農業など。技術シーズはAIやセンシングテクノロジーからブロックチェーンや量子コンピューターまで多岐に渡っています。
私はすべてのプロジェクトを統括する立場ですが、なかでも街作りや地方創生などの領域で日本の「価値」を再定義し、発信する取り組みに興味があります。具体的にはグランフロント大阪で世界初のソーシャルシティプラットフォームを導入したノウハウを2020年とその先の街づくりに取り入れています。
Q2
過去に手がけた事例を紹介してください。
A2
最近の事例だとブロックチェーンを活用した地方の一次産品の価値の再定義ですね。絶対に改竄されない分散型の管理台帳を使って宮崎県綾町の有機野菜の本物証明をしました。これにより六本木ヒルズのアークヒルズで開催されるマルシェで元々の価格の2倍の値段で有機野菜を売ることを実証しました。
もう一つは「エブリスポ!」です。週に1回以上運動する人の割合、いわゆる運動実施率が50%を切っているって知ってますか? 健康にいいとが分かっていても自分たちだけではなかなか運動継続できないものです。そこで私たちは街で働く人とそこに住む人がつながって、スポーツを通じてみんなでコミュニケーションしていく新しいモデルを開発しました。こういった仕組みはウェアラブルデバイスやSNSの普及に可能になっています。このように、さまざまな技術をマッシュアップし、実際の地域やコミュニティーで活用可能なカタチに昇華させることがイノラボのミッションです。
Q3
いまもっとも関心のある最先端技術は?
A3
今関心があるのはAIスピーカーです。人と機械のインターフェースは限りなくシンプルでカジュアルなものがいいと思うのですが、AIスピーカーはその最たるもののです。
その他だと「CRISPR-Cas9」なんかは破壊的テクノロジーですね。Cas9は、ゲノム、つまり遺伝子の配列を簡単に編集できてしまうものですが、こういった技術を医学や薬学の分野だけでなく、イノラボのような自由な発想ができる立場で探ってみたいです。
Q4
研究分野で成し遂げたいこと・思いを語ってください。
A4
イノラボは、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けてさまざまなプロジェクトを進めています。オリンピックは世界に向けた最新テクノロジーのショーケース的な側面がありますが、イノラボの活動は開会式を派手に演出することを目的にしているわけではありません。このイベントをきっかけに、世の中に残る仕組みを実装(=Deploy)することなんです。
たとえば「Running Gate」もその一つです。センサーが設置されたエリアを通るとモーションキャプチャーやウェアラブルデバイスをつけていなくても自分のランニングフォームを3Dモデルで記録できるシステムです。このようなアイデアを2020年に実装していくことに日々ワクワクしています。
Q5
あなたにとってイノラボとはどんな場所?
A5
「あったらいいな」から新しいアイデアを発想できる場所です。イノラボは企業にありながら制約やしがらみがありません。出発点はいつも「あったらいいな」という自分の原体験。ビジネスや技術ありきのものより、原体験から生まれるものを大事にしています。
また、イノラボにはスキルや価値観が異なるスペシャリストが集まっています。いわゆる天才と呼ばれる人も。そういったエッジの効いた人を活用することはふつうの企業では難しいと思いますが、イノラボはケミカライゼーション(化学反応)に前向きな場所です。異なる化学式が集まって反応を起こすことで新しいものが生まれると信じていて、一人ひとりの「あったらいいな」を、日々チームとして実現しています。
Q6
イノラボはこれからどう進化していくべきでしょうか?
A6
あらゆる製品やサービスがインターネットにつながるIoT時代、いまや世の中全体がどうやってオープンイノベーションを実現するか、躍起になっていて、われわれのクライアントにもオープンイノベーションの波が押し寄せています。一方で日本企業は長年自前主義でやってきたこともあり、どうやってオープンイノベーションをすればいいか分からず手をこまねいています。一方のISIDのようなSIerも顧客に仕様を提示されないと提案ができないようでは価値のある活動ができません。その結果、イノラボの活動に注目が集まっているのではないでしょうか。顧客から言われたものを作るSIから脱却するためには最終消費者の視点が不可欠です。自分たちでビジョンや機能、デザインを考え、世の中への打ち出し方、マーケティングを考えることも当たり前になってくるでしょう。イノラボもプロトタイプと実証実験だけでなく、社会実装(ディプロイ)を合言葉に提携や事業化をダイナミックに手掛けていきます。
Q7
いまもっとも興味のある人物・関心ごと、趣味はなんですか?
A7
イノラボにとって「2020年」は一つの大きな節目になので、それまではプロトタイプと実証実験の成果を世の中に実装することに注力していきます。世の中全体がオリンピックに本格的に向かっていく2019年ぐらいには、さらに先の未来、「Beyond 2020」を本格的に考えていくつもりですので乞うご期待ください。

profile
Chief Producer
Hiroshi Morita
森田 浩史
学生時代にMosaic(現在のブラウザ)からインターネットに触れたことを契機に、IT業界に身を投じることを決意、電通国際システム(後にISIDと合併)に入社する。20代の頃はエンジニアとして顧客企業に常駐し会計やSCMなどの業務システムの開発に携わる。MBA留学後はガラリと仕事内容が変わり、シリコンバレーやイスラエルのスタートアップとの提携や経営企画室にて中期経営企画や新規事業開発のスキーム策定などを手掛ける。2011年からイノラボ。現在はソニーと進める因果情報を解明するAI「CALC」、自動運転やMaaS(Mobility As A Service)などの次世代モビリティ、自分に得意なスポーツを教えてくれるAI「DigSports」、宮崎県綾町と進める有機野菜の生産履歴へのブロックチェーン技術の活用などの取り組みに加え、MIT Media Labとの連携、東京大学暦本研究室との共同研究などイノラボが手がけるさまざまなプロジェクトを統括している。昨年訪れたポートランドの街づくりにすっかり感化され、2020年とその先の街づくりを思案している最中。1995年早稲田大学理工学部応用物理学科卒業。2005年米国ペンシルベニア州ピッツバーグ大学経営大学院にてMBA取得。講師「一橋大学 社会学部 社会組織論」他。著書「環境と経営がわかる本」他。旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会、御殿山エリアマネジメントなどもろもろ参画中。株式会社クウジット(社外)取締役。
Hiroshi Morita 活動報告
-
訪日外国人向け観光型MaaS「くるり奈良」
PROTOTYPE
-
匠の技術をAIが受け継ぐ ~天然マグロの品質をAIが判定~
LAUNCHED SERVICE
-
『GOTENYAMA ART & TECHNOLOGY WEEK 2018』に「なりきりアート」を出展いたしました
PROTOTYPE
-
宅配ロボットがおつかいに挑戦!! ~「ちょっとどいてくださ~い」といいながら、品川港南エリアを走行~
PROTOTYPE
-
大規模データ解析ツールCALCから導かれた 都会の若者のクルマ離れ7つのパターン
LAUNCHED SERVICE
-
東大暦本研×多摩美宮崎ゼミ×イノラボで「Internet of Abilitiesと人間拡張アイデアソン」を開催
SEEDS
-
『GOTENYAMA ART & TECHNOLOGY WEEK 2017』に「iART」と「エミタメ」を出展いたしました
PROTOTYPE
-
<入場無料>8月11日(金・祝)「運動あそびフェスティバル」@大田区総合体育館で「DigSports」が体験出来ます。
LAUNCHED SERVICE
-
子どもの運動能力を測定し、適性種目を判定する「DigSports」映像公開
PROTOTYPE
-
「SENSORS IGNITION 2017」に"都市のナマハゲ"を出展しました
PROTOTYPE
-
綾町で野菜の袋詰めをしてきました。3月25日(土)10時〜@六本木アークヒルズ で販売します。
PROTOTYPE
-
東京国立博物館(トーハク)で初のアイデアソン開催。外国人の記憶に残る文化体験とは
PROTOTYPE
-
日本の“まつり”RE-DESIGN プロジェクト「ナマハゲ、東京に現る」映像公開
PROTOTYPE
-
ISID、「デザイン思考ラボ」を発足
SEEDS
-
Yatcha Ikenai Koto
\やっちゃいけない/キネクトでエクセルを操作する
SEEDS
-
Sports&Life Technology
ランニングフォームの正解を導く。 3Dで走りを解析する「Running Gate」
PROTOTYPE
-
Sports&Life Technology, Post City Science
街を運動場にしよう! コミュニケーションで運動量は増えるのか「エブリスポ!」
PROTOTYPE
-
Sports&Life Technology
水槽の壁をリアプロジェクションスクリーンに。新たな水泳体験 「AquaCAVE」
PROTOTYPE
-
Sports & Life Technology
クアッドコプター内蔵ボール 「HoverBall」
PROTOTYPE
-
Sports & Life Technology
HoverBall, Designing a New Ball Game
PROTOTYPE
-
Post City Science
アメリカ・Cornell Techとの共同研究プロジェクト ソーシャルキャンパス
PROTOTYPE
-
Inbound Scape
東京国立博物館ガイドアプリ トーハクなび
LAUNCHED SERVICE
-
Education Design
立命館守山中学校との共同プロジェクト RICS
LAUNCHED SERVICE


