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樹木と人が寄り添い合う
A tree tweets, A tree reacts.

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    樹木と人が寄り添い合う、都市の森

    近年、“緑化”が都市開発の世界的な潮流となっています。2009年に開園した、ニューヨーク市の「ハイライン」は、廃線になっていた高架貨物線跡を空中緑道として再利用。都市に長さ1マイルの公園が登場し、人々はランニングや日光浴を楽しんでいます。日本でも複数の都市で「セントラルパーク構想」が検討されており、やがて都市においても木々の中に人が集うことが日常となりうるでしょう。

    そんな未来の街では木々の中に人が集うことが日常となり、都会で暮らす人と樹木の距離はもっと近づいていくはずです。イノラボは、樹木と人の共鳴により周囲の環境が変化する未来の都市像を、テクノロジーによって具現化し、アート作品として表現しました。

    本作品は、ISIDがメンバーカンパニーとなっている米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのResponsive Environmentsチームが開発した「Listen Tree」(人が樹木に耳をあてることで音が聞こえてくる、新しい音響装置)を応用したもの。イノラボでは、これに人体および樹木から得られるバイタルデータを連動させ、音や照明などを自動的に変化させるシステムを、放送大学川原研究室、青山学院大学ロペズ研究室および株式会社大林組によるコンテンツ提供と技術協力を得て構築しました。

    “木々は奏で、木々は反応する。”

    樹木に人が触れると、人の脈波と木の樹液流が計測され、両者のバイタルデータにもとづいて、樹木の内部から発せられる音や周囲の照明、微細な霧の噴霧といった環境条件が自動的に変化します。樹木が、人の鼓動から気分や緊張度を読み取り、その場の環境に応じて人の感情を高揚させたり、落ち着かせたりすることができる未来を表現しています。この作品は、日本の主要都市で制度化が進む屋上緑化運動や環境負荷低減に向けたエコ活動の機運とも親和性のあるコンテンツとして展開できる可能性があると考えています。

    ARS ELECTRONICA FESTIVAL 2015に出展

    2015年9月3日から7日 (※現地時間)までオーストリア・リンツ市で開催される世界最高峰のメディアアートの祭典「ARS ELECTRONICA FESTIVAL 2015 『POST CITY』」に、この作品を出展します。未来の都市像について世界に発信します。

    text:鈴木淳一