インバウンド

日仏実証実験第3弾
統合ICカードシステムの実証実験

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2015.08.12

RFIDカード1枚で、全て完了

2014年11月6日から11日まで、今後増加が見込まれる訪日客の観光をより快適にする街のプラットフォーム開発を目的として、旅行者専用の統合ICカードシステムを用いた実証実験を行いました。本実験は、欧州最大級の統合型リゾート(IR:展示施設やホテル、商業・レジャー施設、カジノなどが一体となった複合観光施設)のあるフランスのアンギャンレバン市で実施。旅行者専用の各種機能を備えた実験用ICカードを用いて、各種施設への入場手続きや精算を一元化するとともに、母国語でレストランの注文ができたり、訪問予定先の観光案内が見られるといったサービスを提供し、観光客の利便性向上やストレス低減に寄与するICTサービスの有用性を検証しました。

なお本実験は、大阪国際空港または羽田空港で出国手続きを行う約20名の被験者が、欧州最大の売上規模を誇るフランス・アンギャンレバン市のカジノ施設「カジノ・バリエール」をはじめ、市内のレストラン、スパ、ホテルや公営美術館等、およそ10カ所の施設を巡るツアー形式で行われ、大阪府と友好提携を結ぶフランス・バルドワーズ県とアンギャンレバン市、および同市の委託を受けて統合型リゾートを運営するルシアン・バリエールグループの協力により実現することが出来ました。

被験者には、出国当日の写真画像、氏名や年齢等のパスポート情報、母国語情報等が紐付けられた実験用ICカードを、出国当日に大阪国際空港および羽田空港にて即時発行します。各被験者の滞在先での行動履歴、サービス利用実績を実験用ICカードに蓄積し一元管理することで、施設入館料や飲食代、サービス利用料等を、ホテルチェックアウト時に一括精算、レストランやスパで、多言語でのメニュー表示・注文などを可能にしました。

7-1-2

イノラボが日仏で行った実証実験は今回で3回目。施設を利用した人の背景にはどのような動機があったのか、デジタルサイネージの読み取り状況や注文した金額とメニューの傾向にはどのような関係性があるのかなど、引き続きこれら3つの実験結果の検証を行っています。今後、日本が外国人観光客をもてなす際の具体的な社会インフラはどうあるべきなのか、実証実験に参加した個人や運営側の意見、フランスの自治体の考えを交えて形にしていきます。

text:鈴木淳一